「小石川 菜穂子」に生まれ変わり復讐を果たしていく市村ハナは、今回のターゲット・桐谷ヤエ子には顔を見られたため「ハナ」として近づきます。
仕方なくいじめに加担していただけ、と言って「あの頃はごめんね」と心無い謝罪で終わらせようとしたヤエ子を、ハナが許すはずもなく・・・
「他人なんかどうでもいい。私だけが幸せならそれで」という自己中な女であり、「盗人」というトンデモな顔をもっていたヤエ子への鮮やかな復讐劇が始まります。
さらに、その裏でラスボス・高嶋津絢子と手を組んだフランケン女・大塚 敏恵がドクターの元を訪れる、という衝撃展開も! 毎回ワクワクさせてくれる「美醜の大地」の最新話、ネタバレ行ってみましょう!
作品名:「美醜の大地~復讐のために顔を捨てた女~」
作者:藤森治見
「美醜の大地」第八話「翡翠の首飾り」あらすじとネタバレ
私さえ幸せなら他人は不幸でいいという女
ヤエ子の人生の理想は「幸せ」でいることだった。
目立つ人気者である必要はない、けれどもめごとには巻き込まれたくないし、誰かがいじめられて不幸でもどうでもいい。
だから、女学校時代にハナがいじめられても、知らんぷりをしていた。
だが、樺太を出たあと父親が漁の最中に卒中になり、縫製学校をやめて水産加工場で働くことになる。
加工場での仕事は、ヤエ子にとって耐え難いほどにみじめだった。
生臭い匂いがしみつき、きれいだった手がみるみる荒れ果てていく。
「すごく妬ましい」
今の生活は食べるのがやっとで、服を買うどころか布地すら買えない。
何もかもうまくいかず、惨めで「幸せ」とは程遠いわたし・・・ヤエ子は「普通」にすらなれない自分に心底苦しんでいた。
妖しく光るハナの瞳
ヤエ子が選んだのは欲望のままに生きる生活であった。
空き家に忍び込み、他人の家のタンスを漁って盗みを働くようになった。
金の力で贅沢できるうえに婚約者は医者だし、「幸せ」は約束されているようなものだった。
ヤエ子は喫茶店に来ていたおばあちゃんがつけていた、大きな翡翠の腕輪とネックレスの話を聞いて物欲しそうに耳を澄ませる。
そして、そんなヤエ子をハナは見逃さなかった。
「美醜の大地」第八話の感想
ヤエ子は蓋を開けてみたら、かなりヤバイ女でした。
手癖が悪い、というかひどい盗癖をバラされ、婚約者にも「そんな人だったなんて・・・」とドン引きされていました。
「幸せ」になろうとして欲望のままに突っ走った結果、何もかも失ってしまいます。
表面上はおとなしい、長いものには巻かれろ的な女でしたが「自分が幸せになるためには誰が犠牲になってもいい」という考え方の持ち主。
女学校時代に積極的にいじめはしなかったものの、ハナにとっては許せなかったんでしょうね。
でも、ハナが復讐をしなくても、いつか悪事がバレたんじゃないのかしら。
とはいえ『いじめを見て見ぬふりをしてしまうこと』は、『自分はいい人。少なくとも悪人じゃない』と思っている普通の人もやってしまいがちなことで、ヤエ子への徹底した復讐を見てしまうと『いじめられた側の恨みは深い』のだなあと。
自分にもそんな記憶はなかっただろうか、と反省してしまいます。
ヤエ子が牢屋で首をくくったのは、ちょっとかわいそうだったかな。
今回、サービスシーンとして変態要員・白川と絢子様の奇妙な夫婦生活(正式にはまだ夫婦ではないけど)が入っていました。
絢子様の、冷然とした「この虫けらめ!」と見下すような眼差しに、白川ならずともファンが増えている予感。
白川にとって、絢子様のアレは「お仕置き」ではなく「ご褒美」なのです。
眉間にシワを寄せて心から汚らわしい、と白川を睨みつける絢子お嬢様の「あの顔」は必見です!
順調に見えるハナの復讐ですが、ドクターの元にやってきたフランケン・敏恵の動きが気になります。
天才整形外科医・内田のところにきたということは、敏恵もまた美しい顔になって逆リベンジをしてやろうという魂胆でしょうか。
ドクターは手術する「動機」を大事にする人ですから、頼まれたらやってしまいそうですよね。
「美醜の大地」、連載は隔月から毎月連載になったっぽいので、来月また新しいお話が読めそうです。
藤森治見先生、応援してま〜す(๑´∀`๑)_尸゛