絢子の悲惨すぎる過去に、隠されていた例の「なんで、あなただけキレイなの?」発言の謎が明かされる!?
その秘密は「絢子の妹」にあった! そして、絢子のすべてを知った清二郎の反応は・・・?
「美醜の大地~復讐のために顔を捨てた女~」の35話では、読者が最も知りたかったであろう絢子の奇行と、ハナへのいじめの原因となった出来事が描かれています。
「美醜の大地~復讐のために顔を捨てた女~」第35話ネタバレ
愛と自由を失った「籠の小鳥」絢子
高嶋津の長老は加也に「娘」である絢子は自由のない「籠の小鳥」なのだ、と語る。
あの美しい顔の下には、自分と同じ「鬼」が隠れているのだと・・・
愛しい愛しい妹の誕生と、継母の止まらない虐待
継母と父との間に、妹である「真愛美」が生まれた。
赤子を心からかわいがる両親の姿は、絵に描いたような完成された親子のようで、絢子の居場所などなかった。
それでも、愛らしい笑顔を向ける妹に、心安らぐ絢子。
だが、継母は妹に近づくと鬼のようにキレて暴力をふるい、ムチ打たれ消えない傷跡が残った。
頭を打って「元の自分」ではなくなった絢子
ある日、その事件は起こった。
継母の虐待で足を滑らせ、頭を強打して、とうとう医者に「虐待」の証拠が見つけられて状況が一変する。
そして・・・目覚めた絢子の「世界」はすべて変化していた。
美しい花を見ても、かわいい人形を見ても「つまらない」のだ。
絢子が「モンスター」となった瞬間
なのに、妹だけ、真愛美だけがなぜ『きれいなままなの?』か。
あの赤い色。お母様の真っ赤な血と同じ、きれいな赤を・・・
世間体を守るために、隠蔽された「絢子の犯罪」。
燃え盛る屋敷に消えた継母と大好きな妹。
それから、絢子は「籠の小鳥」として、屋敷の囚われびととなったのだった。
「美醜の大地」第35話 感想
絢子の「モンスター化」のきっかけとしては、母親のひどすぎる最後や継母による虐待など、心理的なものがありましたが、決定的だったのが「頭を強打」というのがなんとも。
はっきりと言葉にされていませんが、
頭を打った→周囲に存在するモノ・ヒトがすべて無機質なものに見える→美しくないその世界でなぜか「綺麗なままでいた妹」が許せない、
といった流れでしょうか。
視覚的に色がついてないのか、それとも感情的な面での障害かわかりませんが、絢子の脳が何らかのダメージを受けたことでサイコパスへ。
つまり、つまり!
ハナへの「なんで、あなただけキレイなの?」発言は、ここから来ています。
誰からも愛されず、顧みられることなかった少女時代の哀しい日々に「明るい無垢な笑顔」をくれた大好きだった妹の存在。
唯一、絢子が愛して、大好きだったはずの妹なのに、嫉妬からくる破壊衝動が抑えきれずに、母親を失ったときと「同じこと」を再現してしまう絢子の病んだ心が浮かび上がってきます。
ということは、ハナへの壮絶ないじめは・・・まさかの『愛情の裏返し』!? で合っている?
樺太女学校時代、ハナを見て(顔面偏差値に関係なく)「(妹と同じように)キレイ」だと感じた絢子は、ハナを心の奥底で好きだと思いつつも嫉妬によっていじめずにはいられなかった、というのが真相なのではないでしょうか。
そういえば、醜かったころのハナは笑顔が「天使のほほえみ」と言っていいくらいの無邪気なベビースマイルでしたし、それが赤ん坊だった真愛美ちゃんと重なってしまったのかも。
絢子が決してできない、無邪気なエンジェルスマイルを浮かべられる人間だけが、「キレイ」に見えるってことかしらん。
愛しているけど、憎い! みたいなグチャグチャの絢子の感情。
こうして絢子の過去編を時系列で追ってしまうと、理解したくないけれども「ハナへのいじめ」もある程度、理解してしまえるような・・・
ところで。
絢子の過去を知った清二郎への、「私がおぞましくないの?」の答え。
「まさか!」
につづく言葉が聞こえてきませんでしたか?
清二郎:
「まさか!
(なーんだ、たったそれだけのことか!
僕なんてあーんなことや、こーんなことまでもっともっとおぞましいことやっちゃってるし!
絢子さんなんて、まだまだ普通。
全然OK!モーマンタイ!!
ひどい目にあわせてきた連中を燃やしちゃったくらいで、僕の絢子さんへの愛が揺らぐわけないじゃん!
むしろ生きてたら、僕が代わりにやっちゃったよーハハハハ!!)
」
私の耳には、こんな空耳が聞こえてきましたよ。
だって、あーた。
犬の首輪つけて夜間に生まれたままの姿でお散歩とか、今は亡きサチにもアレコレしたりと、おぞましいを通り越したハイパーヘンタイですからね。
この程度の過去の暴露で、動揺なんてせんでしょうよ・・・
↓お忘れの方は、以下の記事を参照のこと
絢子様と新しいペットのお散歩
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12話 下僕ワンコ
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サチの地獄バイト編
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4話 清二郎のお人形遊び
復讐のために顔を捨てた女・市村ハナ。奥田スミ子に復讐を果たした前回でしたが、今回は宿敵である高嶋津 絢子の樺太引き上げ後の生活が見え隠れします。 4番目の復讐相手・瀬尾 サチは絢子のもとで働いていたも ...
それから、例の絢子の傷跡。あれって、じいちゃんのせいかと思ってましたが、継母だったんですねー。
継母に関しては天誅!って感じで同情ゼロでしたが、さすがに真愛美ちゃんはなあ。登場と同時にあぼん、とはつらみ。
今回のお話は「絢子」という、ミステリアスな令嬢の秘密が明かされており、「絢子なんて絶対許せない!」という読者もこの内容を知ってしまったら、単純に憎みきれないと思います。
人間って一面的な存在じゃないってことですよね。
いろんな複雑な過去が絡み合って、多面性を備えた存在だからこそ、誰が本当の正義ってわけでもなく。
こうした生い立ちを知ることで、ヒロインの最も憎むべきキャラである絢子すら、応援したくなってしまう魅力ある存在に感じてきてしまいます。
このへんで、だいたい絢子の過去編は終わりかな?
来月はそろそろ、われらがヒロイン・ハナのお話が見たいですね〜
つづきます!!